花系男子はアナタっ子

「だったら、今日宿舎内のメイン活動があったよね……」

そう──
本来なら二日目の今日は、美化委員を中心に宿舎の敷地内に花を植えるんだけど……


ぎゅっ……──

「っ!」

二人と繋いでいた手が、どちらも同時に握られ、反射的に私は握り返した。

やっぱり、このまま双子を置いて委員会の仕事をしにいくのは……嫌。

「あの、私はここに居てもいいですか。心配なので……委員の仕事は、その……」

「大丈夫。そこであなたの担任の先生も聞いてたんだから。委員の子達には私が話しておくから、安心して」

「ありがとうございます」

それじゃ、と部屋をあとにする先生。
それに続いて、橙果くんも立ち上がる。

「……ってことで、双子の気持ちを代弁したから。僕たちは悲しい悲しい一日を始めようか、蒼葉くん」

「は?悲しい?」

「そうだろ?活動時にすみれちゃんが居ないなんて、僕は干からびそうだ。君は違うのかな」

「うっせ。さっさと靴はけよ」