花系男子はアナタっ子

「意味ないってどういう……」

蒼葉くんたちに聞こうとした時、保健の先生が急ぎ足に部屋へ入ってきた。その後ろからすぐ、担任の先生の姿も見える。

「百合水くん達、何があったの?様子を見せ──」

「いいっす。戻ってもらって」

「え?」

来たばかりの先生が、驚いて蒼葉くんを見つめると、橙果くんが困ったように眉を寄せながらフォローする。

「すいません。双子くん、昨日の疲れで少し体調が悪いだけみたいなんです。それに、二人ともこの子が大好きなので、すみれちゃんにそばに居てもらいたいって」

橙果くんの言葉に目を見開けば、ウィンクされた。

「そう……でも」

「何かあれば先生を呼ぶ、それで良いでしょう。今日も一日、僕らは外の行動が多いですし、保健の先生が同伴の方が他の先生も安心かと」

淡々と言葉を並べていく橙果くんに、悩んでいた先生は首を縦に振り立ち上がった。
だけど、私の顔を見て何かを思い出したような顔をする。

「分かった。でも……確か、桜庭さんは美化委員じゃなかった?」

「はい」