花系男子はアナタっ子

違うよね?違う、違う。
そう思いながらも、自販機のところにある観葉植物の後ろに隠れた。


「……ん?こんなところで何してんだよ」


あれ、この声──


「あ、蒼葉く……っ!?」

思わず声が大きくなってしまった私の口をおさえ、蒼葉くんは『静かにしろ』と目でうったえてきた。


「ご、ごめん。私は眠れなくて、飲み物買いに来たの。蒼葉くんは?」

「そうか……俺もそんなとこ」

「皆は?寝てる?」

「橙果のやつは知らねぇけど、双子は秒で寝た」

「あははっそっか。なら私たちも早く寝なきゃだね」

ペットボトルを握り、私は踵を返そうとした。だけど、



「……もう少しだけ、ここに居ろ」


蒼葉くんに腕を掴まれ引きとめられた──