花系男子はアナタっ子


皆を起こさないよう、小銭を手に静かに部屋を出た。


「うわぁ……ホテルとかと違って廊下も暗いんだ」

前も後ろも奥まで暗くて、何か出てきそうな雰囲気。それに加えて窓から見える風に揺れる林が、夜のせいか不気味に見える。

少し怖い気持ちはあるけど、飲み物買うだけだから……

大丈夫、大丈夫。


月あかりを頼りに自販機を目指し、無事に飲み物を買うことが出来た。

ついでにお手洗いでも──ん?


後ろから、ゆっくりとスリッパを引きずるような足音が聞こえてきて、振り向くも暗くてわからない。


──だ、誰だろ……ちょっと怖くなってきた。

お化けとかじゃない、よね?