「すみれ来たーってあれ?どうしたの、すみれ?おーい」
「すみれ?のぼせたのかな」
はじめてかもしれない……いやかもじゃない。はじめてだ。
お風呂上がりの三人姿──
これは、こればかりはさわいでいた女子の気持ちが分かる。
濡れた髪を耳にかけてたり、かきあげてたりで。……ってお湯大丈夫なの?
「すみれってば、大丈夫?」
「だ、大丈夫ですっ」
「何で敬語?」
首を傾げる夢莉くんに、私は苦笑いを浮かべた。
「ははは、つい……それより、お風呂は大丈夫だったの?」
「全然へーき!」
「山登りの疲れが和らいだよ」
「悪くなかった。もう少しゆっくり浸かりたいくらいには」
お風呂は大丈夫……特徴を引き継ぐって言っても、気温とか開花時期だけっぽい。
「……そっか、それなら良か──」
「ぼく、すみれのお家でもお風呂入りた、んぐっ」
「ああー!そうね!今度にしようね!」
周りにうちのクラスの子と入れかわりの一年生がいるから、思わず口を塞いじゃった。でも私だけじゃない。しー!と千莉くんも。
蒼葉くんだけ、夢莉くんの足を踏んでたけど。



