疲れ果てた太陽くんと夢莉くんは、夕飯の調理にはほとんど参加せず、食べる係のみになった。
「……うん、いい味だね。どうかな」
橙果くんが味見した皿に、ちょこっとだけカレーがのせられ、差し出された。
無意識に受け取ったけど、すぐに私の手から皿がなくなる。
「あっ」
「バーカ、受け取るな。橙果、お前もあからさまにやめろ」
皿を没収したのは蒼葉くんで、そのまま橙果くんに押しつけた。
皿を手に橙果くんは肩をすくめる。
「おやおや、ただの味見をしてもらおうと思ったのにな」
「うそつけ。やり方がストレート過ぎて、むしろ分かりやすすぎだろ」
「そうだったかな」
なんだろう、二人の間に威圧的な何かを感じるのは……



