花系男子はアナタっ子


耳を貸して、と言われ耳打ちされた言葉に私は驚いた。

「えっ!?本当に?」

「しっ、まだ秘密だよ?」


つい大きな声を出した私の口にそっと指をあてる橙果くんは、肯定のかわりにウインクして見せる。
だから私も、わかった、と意味を込めて頷けば、橙果くんは微笑んだ。



「……何してんだ」


「おっと」

声がしてすぐ、橙果くんは私の口から指を離した。

「蒼葉くんっ」

見下ろせば、不機嫌そうな蒼葉くんが私たちを見上げていて、橙果くんは一歩前に出る。

「君も女の子たちに囲まれていたんじゃないのかい?」

尋ねられた蒼葉くんだけど、無言で橙果くんを見据えるだけで口を開く気配はない。
でも何故か橙果くんは笑って、

「フフッ、そろそろ僕も教室に行かないといけないから、ここで。……また後でね」

私の頭を撫でると、階段を上がっていった。