花系男子はアナタっ子


ジョウロを戻し何時なのかと思った時、チャイムが鳴ってしまった。


「うそっ……やっぱり寝坊のせいだ!」


周りを見ればほとんど生徒の姿はなくて、鞄を雑に掴むと急いで校舎へと走った。



──予鈴と言えど、校舎は広いからぎりぎりに教室に到着。


だけど、なにやら黄色い声が廊下の奥から聞こえてくる。
焦って走ったのに、大半の女子は教室には居なくて……あの騒いでいる輪の中に居ることがわかった。

何に嬉しそうな声を上げているのか気になるものの、教室の中へ。


そして本鈴が鳴るも、声はやまなくて。
女子生徒たちの声に紛れて、先生の声が響いてきた。


「ほらチャイム鳴ったろ?戻れ戻れ」