「……何か言いたげだな、花海」
蒼葉くんもまた目を細め、橙果くんを見た。
「いや、三人ともすみれちゃんが好きなんだな、と思ってね」
「……だから?」
睨みにもとれる視線を向ける蒼葉くんをいちべつした橙果くんは、笑みをこぼす。
夢莉くんも何か言いたげだけど、なんとかおさえてる感じだ……
橙果くんは壁から背を離し、太陽くんを抜いた三人に体を向ける。
「……ずいぶんと余裕がないんだね」
「はぁ!?……っ」
我慢していた夢莉くんが言い返そうとしたけど、なにも言わず蒼葉くんが手で制し、夢莉くんは不服そうに口を閉じた。



