花系男子はアナタっ子


「ん……?」

「何してるの蒼葉。早く開けてよ。本当にあの子連れて来ちゃったし、こんなことになるなんて……」

未だ小言を言う夢莉くんが、私の部屋の前に立ち止まった蒼葉くんを急かし、先にドアを開ける。

その瞬間、蒼葉くんが後ろに退くと夢莉くんが勢い良く倒れた。

「夢莉くん!?」

「夢莉!?」

私と千莉くんが驚き駆け寄ると、夢莉くんの上に乗っている人が居た。

「……っ!?」

見知らぬ人に驚き、後ろに体をひいたら橙果くんが受け止めてくれる。

さすがの蒼葉くんでもあまりのことに愕然(がくぜん)として、乗っている人を見ていた。
千莉くんは、私を背に隠してくれる。

すると、倒された夢莉くんがぴくりと動いた。

「痛ったいなぁ……一体なん──誰!?」

痛みに頭を擦る夢莉くんの叫びが家に響いた。