「……愛情」
険しい表情から紡がれた一言に、二人は千莉くんに向く。
「え?」
「は?」
「愛情だよ。僕たちは何度も言ってるけど、咲くまでずっとすみれの手で育った。だからすぐこうした姿になれた。だけど……」
じっと話を聞く私たちに千莉くんは、そのまま続ける。
「今回は家に持ち帰った日からのすみれの愛情がそうさせたんじゃないかなって。二輪とも共同で育てたって言うから、十分な愛情を得るまで時間がかかった……って」
あくまで一つの考えに過ぎないけど、と千莉は言った。
でも、蒼葉くんと夢莉くんは千莉くんの考えを自分の中で繰り返しているようで、お互いに一人頷きながら、少しずつ理解しているようだった。



