花系男子はアナタっ子


女の子を沢山引き連れてきた光景に、三人がはじめてきた日のことが思い出されるも、真っ直ぐこちらにやってくる男の子に私は目を見開いた。


「君達だね……いつも僕のご主人さんといる花は」


──綺麗な子……

薄く微笑む少し大人びた顔、一つに結ばれた長めの薄紅色の髪……
身長も高い。蒼葉くんよりも大きい。


「ぼくの!君は違うでしょ!」

「おい、夢莉」

「僕"たち"の、でしょ?」

「えー」


──今、そんなこと言ってる場合ではないんじゃ?


「フフッ君達は可愛いらしいね」

可愛いの言葉に、言われ慣れていない蒼葉くんだけが、眉を寄せる。
双子はそこは気にしてないみたいだけど、新しい子……

ん?新しい子って──


「自己紹介をしないとね。僕は花海橙果(はなかいとうか)。改めて宜しく、ご主人さん」