いや、まさかね。
千莉くんだって、一から育てた花ではないからって言ってたし、
蒼葉くんだってそんなこと起きないって話してた──
のに……
ガタンッ!!と夢莉くんが立ち上がる音に驚いた矢先、聞いたことのある黄色い声が再び耳に届いてきた。
「ほら!やっぱりそうじゃん!」
「来たな……」
「女の子たちの声的に、こっちに来てるよね。すみれ、もっとこっちにおいで」
やたら警戒する三人の背に囲われ、段々と近付いてくるのを感じながら、じっとしていると──
「……ここかな」
私たちの教室の前で立ち止まった。
騒ぎのもとである一人の男の子が入って来た。



