巫女&十二支擬人化男子、学園をナイショで守護してます!

「ふたりとも、無事だったぁ? ムニャムニャ……」


 羊太君が眠そうな目つきでフラフラと立っている。

 ということは、この羊の群れは羊太君の神通力なんだね?

 いったいどんな方法で、こんなすごい数の羊を生み出しているんだろう。


「サンキュー、羊太。お前の多重分身は相変わらず見事だな!」

「羊太君、分身の術が使えるの? すごい能力の持ち主なんだね!」

「ああ、それねぇ。よく言われるけど、みんな勘違いしてるんだよねぇ」

「は? 勘違い?」

「うん。あの羊はね、分身じゃないよぉ。あれは全員、僕の家族ぅ」


 ポカンとする志狼君と私に、羊太君はニコリと笑いながら羊の群れを指さした。


「紹介するねぇ。あれが僕の両親。その横が兄弟たち。あっちがおじさんと、いとこたち。その奥がおじーさんと、おばーさん。その隣がひいおじーさんでぇ……」

「ち、ちょっと待って!」


 じゃあ、あれはぜんぶ羊太君のご親戚(しんせき)一同⁉︎


「なんだ。多重分身じゃなかったのかよ」


 あきれ顔の志狼君に、羊太君がくちびるをとがらせる。


「僕、分身だなんて言ったことないよぉ。みんなが勝手に思い込んでるだけだよぉ」

「なら早く言えよ……。ていうか、高齢のひいじーさんまで戦いに引っ張り出すなよ」

「強引について来ちゃうんだもん。『家族の危機じゃ! わしの出番じゃ!』って」


 えっと、つまり、羊太君の武器は強烈な家族愛ってこと?

 と、とにかくおかげで助かりました。ご親戚の皆さん、ありがとうございます!