巫女&十二支擬人化男子、学園をナイショで守護してます!

「榊さん。そろそろ起きてちょうだい」

「う……うーん……」


 目が覚めて一番最初に見えたのは、夜空に浮かぶ黄色いお月様だった。

 うぅ、背中が妙に痛い。なんで私、コンクリートの上に寝てるんだっけ?

 ……そうだ! 鍋島先生が魔物だったんだ!

 勢いよく起き上がると、まだ先生のしっぽが私をガッチリと縛っている。

 辺りはもう真っ暗で、広いコンクリートの床の周囲をフェンスがぐるりと囲んでいた。


「ここはね、学校の屋上よ。生徒は立ち入り禁止だから来るのは初めてでしょ?」


 すぐ横に立つ先生が、スーツ姿から着物姿になっている。

 昔のお姫様みたいな豪華な柄の着物が、化け猫顔に似合い過ぎて迫力満点だ。


「……先生は私を屋上から突き落とすつもりなんですか?」

「あら、私は教育者なんだからそんな残酷なことはしないわよ。あなたには異空間へ行ってもらうだけ」

「異空間?」

「この世とあの世の狭間(はざま)、とでも言うのかしら。まあ、とにかく永遠に出られないことだけは確かね」

「それって突き落とすのと同じくらい残酷なんですけど!」


 永遠に出られないなんて冗談じゃない!

 しっぽから逃げようともがいたけれど、私の力じゃ拘束はびくともしなかった。