巫女&十二支擬人化男子、学園をナイショで守護してます!

 じゃあ……この木箱に勾玉を戻せば、もしかしたら行方不明の神様が神社に下りてくるんじゃない?

 確証はないけど、こりゃあもう、やってみるしかないでしょ!

 この短剣はきっと御神体の守り刀だろうから、なにかの役に立つかもしれないし、持っていこう。

 そうと思い立ったら着替える時間も惜しくて、私は巫女装束のまま大急ぎで学校へと走った。


「ハア、ハア……。ほんと、学校まで五分の距離で助かったあ」


 今日は創立記念日で学校が休みだから、誰もいないのも助かった。

 巫女装束で短剣を持ったまま校内をうろついてたら、通報されちゃうところだ。

 静まり返った生徒玄関を駆け抜けて、資料室へまっしぐら!

 もしかしたら十二支のみんなと会えるかもと思ったけど、誰もいないみたい。

 今日は学校の近所に魔物がいないかパトロールするって言ってたから、全員で見回りしてるんだろう。

 でも勾玉を持ち出すくらいなら、私ひとりでもできる。