巫女&十二支擬人化男子、学園をナイショで守護してます!

 こっそり持ってきた(かぎ)を差し込み、緊張しながらゆっくりと扉を開けた。

 なにしろ生まれて初めて入る場所だし、禁じられている行為だからドキドキする。


「失礼しまーす……」


 扉の中は意外なほど狭くて小さな空間だった。

 真ん中に小さな畳と台座があって、その台座の上に四角い木箱と、短剣がポツンと置かれているだけ。

 この短剣が御神体なのかな? (つか)の部分に十二色の宝石が埋め込まれていて、なんか豪華だし。

 じゃあ、この木箱はなんだろう? 中が変な形にくり抜かれているなあ。

 でもこの形といい、大きさといい、妙に見覚えがあるんだよな……あ!


「あ! あ! あああー!」


 まるでパズルのピースがピタッとはまったみたいに、頭の中でいろんなことがひらめいた。

 これ、十二支が封印されていた勾玉の形にそっくり!

 てことは、あの勾玉がうちの神社の御神体だったんだ!

 そりゃあ神社の由来が不明にもなるわ。だって御神体が何百年も行方不明だったんだもん!