「……あれ?」
気がつくと、美術室の床に寝転がっていた。
私の顔を上から覗き込むようにして、志狼君と宙太君と郁兎君が並んでいる。
「由巫、平気か?」
「う、うん。みんなも平気?……あ、龍生君たちは⁉︎」
志狼君がヒョイと指を差した方を見ると、人間の姿に戻った龍生君と、漆黒の髪の長身男子が立っていた。
きっと彼が虎太郎君なんだろう。
よかった。あのまま龍と虎の姿で戻ってこられたら大変なことになるところだった!
「みんな無事に戻ってこられたんだね」
「ああ。余計なものまでついてきたけどな」
「余計なもの?……あ!」
龍生君たちのすぐそばで、屏風覗きが床に這いつくばりながらソロリソロリと移動している。
うわ、あいつまで一緒に来ちゃったの?
しかもさりげなく逃げようとしてるのがムカつく。
「おい! この俺様にずいぶんと舐めたマネをしてくれたな!」
虎太郎君が、屏風覗きをギロリと睨みながら凄んだ。
つり上がった目や、歪んだ口もとや、相手を斜めから見下ろす態度がちょっとキツイ印象だ。
っていうか、はっきり言うとヤンキー。めっちゃヤンキー系。
「きっちりオトシマエつけてもらうぜ!」
虎太郎君が右手を高く掲げると、とつぜん空中に巨大な剣が現れた。
わ⁉︎ すごく大きな剣! よくゲームに出てくる大剣ってやつじゃない?
「あれが虎太郎の神通力だ。あの剣は虎太郎の牙と同じで、魔を滅する力があるんだ」
虎太郎君は、自分の体の大きさと変わらないその大剣を軽々と頭上に振りかぶる。
「うおおー!」
気合いを込めた声と同時に大剣が振り下ろされた。
剣が空気を切り裂く鋭い音がして、刃の白いラインが鮮やかに光る。
斬りつけられた屏風覗きの体は、悲鳴をあげる間もなく粉々になって消えてしまった。
すごい。こんなに簡単に倒してしまうなんて……。
「虎太郎君て強い」
思わずつぶやくと、虎太郎君が大剣を肩に抱えながら振り向いた。
「とうぜんだ。なんてったって俺様は十二支最強だからな」
気がつくと、美術室の床に寝転がっていた。
私の顔を上から覗き込むようにして、志狼君と宙太君と郁兎君が並んでいる。
「由巫、平気か?」
「う、うん。みんなも平気?……あ、龍生君たちは⁉︎」
志狼君がヒョイと指を差した方を見ると、人間の姿に戻った龍生君と、漆黒の髪の長身男子が立っていた。
きっと彼が虎太郎君なんだろう。
よかった。あのまま龍と虎の姿で戻ってこられたら大変なことになるところだった!
「みんな無事に戻ってこられたんだね」
「ああ。余計なものまでついてきたけどな」
「余計なもの?……あ!」
龍生君たちのすぐそばで、屏風覗きが床に這いつくばりながらソロリソロリと移動している。
うわ、あいつまで一緒に来ちゃったの?
しかもさりげなく逃げようとしてるのがムカつく。
「おい! この俺様にずいぶんと舐めたマネをしてくれたな!」
虎太郎君が、屏風覗きをギロリと睨みながら凄んだ。
つり上がった目や、歪んだ口もとや、相手を斜めから見下ろす態度がちょっとキツイ印象だ。
っていうか、はっきり言うとヤンキー。めっちゃヤンキー系。
「きっちりオトシマエつけてもらうぜ!」
虎太郎君が右手を高く掲げると、とつぜん空中に巨大な剣が現れた。
わ⁉︎ すごく大きな剣! よくゲームに出てくる大剣ってやつじゃない?
「あれが虎太郎の神通力だ。あの剣は虎太郎の牙と同じで、魔を滅する力があるんだ」
虎太郎君は、自分の体の大きさと変わらないその大剣を軽々と頭上に振りかぶる。
「うおおー!」
気合いを込めた声と同時に大剣が振り下ろされた。
剣が空気を切り裂く鋭い音がして、刃の白いラインが鮮やかに光る。
斬りつけられた屏風覗きの体は、悲鳴をあげる間もなく粉々になって消えてしまった。
すごい。こんなに簡単に倒してしまうなんて……。
「虎太郎君て強い」
思わずつぶやくと、虎太郎君が大剣を肩に抱えながら振り向いた。
「とうぜんだ。なんてったって俺様は十二支最強だからな」


