巫女&十二支擬人化男子、学園をナイショで守護してます!

「こいつが、倒れている俺たちを見つけてくれたんだ。ほら、郁兎(いくと)。隠れてないでちゃんと挨拶しろよ」

「う、うん。初めまして……。僕ね、()の郁兎っていうの」

「兎? あ、じゃあキミも十二支の仲間?」

「そうなの。虎太郎と一緒に絵の中に飛ばされてから、ずっと閉じ込められていたの……」


 よほど怖かったのか、郁兎君のパッチリした黒い目がウルウルしている。

 今にも泣き出しそうなその表情も、子どもみたいにぷっくりしたほっぺも、めちゃくちゃキュートだ。

 さすがは兎。ノックアウトされちゃいそうなかわいらしさ!


「あ、そういえば虎太郎君は正気を失っているみたいだけど、郁兎君は平気?」

「僕はだいじょうぶなの。屛風覗きは龍と虎だけに執着してるから、兎の僕には無関心なの……」

「そっか。同じ理由で私たちも平気でいられるんだね。……あれ? そういえば龍生君は?」


 今気がついて慌てて周囲を見回したけれど、龍生くんがどこにもいない。


「志狼君。龍生君は?」

「わからない。俺が目を覚ました時にはいなかったんだ」

「龍生君は屏風覗きに狙われているんだから、ひとりにしたら危険だよ。早く探そう」


ーーゴロゴロゴロ……。


 ん? 雷が鳴っている。

 変だな。この絵に雷なんて描かれていないはずだけど。