「屏風に取り憑く魔物や。屏風ってのは空間を仕切る道具やろ? あいつは屏風で空間を仕切って、あっち側とこっち側の世界を分断してしまうんや」
「でもあれ、屏風じゃなくて額縁だよ?」
「屏風なんて、昔と違って今はなかなか見つからへんからな。とりあえず額縁で間に合わせたんやろ」
古くさい見た目のくせに、ずいぶんと柔軟な発想の魔物だな。
それはともかく、世界の分断か。それでこっち側の龍生君の声があっちに届かないんだ。
屏風覗きは、三日月みたいに細い目で笑いながらボソボソとつぶやいている。
「龍と虎がそろった。これでやっと、私だけの『龍虎図』が手に入る!」
「りゅ? りゅうこ、ず?」
私の『なにそれ、ぜんぜん知らない』的なイントネーションが気にいらなかったのか、屏風覗きがムッとした顔で答えた。
「龍虎図とはな、龍と虎が戦う姿を描いた絵のことさ! 私が最初に取り憑いた屏風にも、それはそれは見事な龍虎図が描かれていたんだ」
その絵を思い出したのか、屏風覗きはうっとりした表情になった。
「まさに芸術。龍虎図こそがこの世でもっとも優れた絵画なのだ。……だから私が作るのさ! この私にふさわしい、私だけの最高傑作をね!」
「でもあれ、屏風じゃなくて額縁だよ?」
「屏風なんて、昔と違って今はなかなか見つからへんからな。とりあえず額縁で間に合わせたんやろ」
古くさい見た目のくせに、ずいぶんと柔軟な発想の魔物だな。
それはともかく、世界の分断か。それでこっち側の龍生君の声があっちに届かないんだ。
屏風覗きは、三日月みたいに細い目で笑いながらボソボソとつぶやいている。
「龍と虎がそろった。これでやっと、私だけの『龍虎図』が手に入る!」
「りゅ? りゅうこ、ず?」
私の『なにそれ、ぜんぜん知らない』的なイントネーションが気にいらなかったのか、屏風覗きがムッとした顔で答えた。
「龍虎図とはな、龍と虎が戦う姿を描いた絵のことさ! 私が最初に取り憑いた屏風にも、それはそれは見事な龍虎図が描かれていたんだ」
その絵を思い出したのか、屏風覗きはうっとりした表情になった。
「まさに芸術。龍虎図こそがこの世でもっとも優れた絵画なのだ。……だから私が作るのさ! この私にふさわしい、私だけの最高傑作をね!」


