巫女&十二支擬人化男子、学園をナイショで守護してます!

「ふわあ……。初めましてぇ。羊の羊太ですぅ。どうぞよろしくぅムニャムニャ……」


 あ、やっぱり十二支の仲間だったんだ。おっとりした口調や、ふんわりした雰囲気が、いかにも羊っぽいもんね。

 このポワポワな表情を見てるだけで癒される。十二支って、こんな癒し系イケメンもいるんだ。


「由巫です。よろしくね。……あの、だいじょうぶなの? さっきからふらついてるけど」

「うん。僕が眠そうなのはぁ、いつものことだからねぇ」

「そうなの? それにしても鬼に食べられちゃうなんて大変だったね」

「まあねぇ。でも、亥月と一緒だったから寂しくなかったよぉ」


 亥月? あぁ、亥年の十二支ね。

 そういえば姿が見当たらないけれど、どうしたんだろう。


「うおおぉー!」


 いきなりの雄叫(おたけ)びと、ドドドッという大きな足音が聞こえてきてギョッとした。

 廊下の向こうから、明るい紺色の髪の男子生徒が猛スピードで走ってくる。

 その速いこと、速いこと!

 速すぎて足の動きがよく見えない!


「誰か俺を止めてくれー!」


 意味不明なセリフを吐きつつ、彼は私たちの横を風のように駆け抜ける。

 そしてその勢いのまま、すぐそこの行き止まりの壁に激突した。


「ぐおおー! 痛い!」


 いや、そりゃそうだろう。……と思った瞬間、彼はあおむけにバタンと倒れてそのまま気を失ってしまった。

 ……なに? いったいあれは、なに?