巫女&十二支擬人化男子、学園をナイショで守護してます!

「驚いた! 本物の鬼かと思った!」

「鬼の人形? まるでハリウッドレベルの出来栄(できば)えだね!」


 あ、あれ? みんな、鬼を劇の大道具かなにかだと思ってるみたい?

 よかった! みなさんが常識的な思考の持ち主で助かった!


「ねえ、宙太君。いざとなったらまた記憶をコントロールできる?」


 宙太君にこっそり聞くと、速攻で返事が返ってきた。


「無理や。人数が多いから時間が足りんわ」

「じゃあ、みんなが勘違いしているうちに鬼退治を済ませないと!」

「でも、今の志狼たちじゃ本来の力は発揮できへん。龍生の神通力はこの場所では不向きやし……」

「ど、どうすんの? 大ピンチってやつ?」


 言っている間も巨大な赤鬼は、大きな足音を響かせながらこちらに迫ってくる。

 顔つきが、見るからに私たちへの敵意丸出し。

 しかも肉の盛り上がったゴツい手には、さらにゴツい金棒が。


「ガアァ!」


 鬼が叫びながら私の目の前で金棒を振り上げた。ひぃ⁉︎ すごいスピードで避けられない!


――ドゴォ!


 振り下ろされた金棒が、ステージ床に大きな穴を開けた。

 志狼君が私の襟に噛み付いて引っ張ってくれたおかげで、直撃を避けられたんだ。

 これが頭に当たっていたらと思うとゾッとする。

 逆に観客たちは「すごい迫力!」って大喜びだ。