巫女&十二支擬人化男子、学園をナイショで守護してます!

「そろそろ劇の集合時間だろ? 行こうか」

「う、うん」


 胸の奥の痛みを隠して、私は立ち上がった。

 今は、余計なことは考えない。みんなのために十二支を探すことに集中しよう。

 そう自分に言い聞かせながら集合場所の教室に着いたら、もう私たち以外の出演者はみんな着替えてしまっていた。


「由巫、志狼、遅いで!」

「衣装や劇に使う小物は、隣の教室じゃ」


 志狼君たちと一緒に急いで隣の教室に行くと、慧申君が中で待っていてくれた。


「慧申君、遅くなってごめんね」

「いや、私も今来たところです。それより、キジ役の生徒が急な体調不良で代役になるそうですよ」

「そりゃあ、ぎょうさん練習したのに残念やったなぁ。あ、これは俺が使うタライや」


 教室の出入口の近くに、今どき珍しい木製の大きなタライが置いてあった。

 そういえば演出担当の春菜が『演出にはリアリティーが大事なのよ!』って意気込んでたから、わざわざ探したんだろうな。

 勝利に向けての学園全体の気合いがすごいんだよ、ほんと。