「なんと! それは、まことか!?」
「飛ばされる瞬間、ほんのわずかですが誰かの悪意の力を感じました。それと……」
「それと?」
「神の気配をまったく感じません」
みんなが、シーンと静まりかえってしまった。
全員が難しい顔でだまり込んでいるけれど、どうしたんだろう。
まるで、認めたくなくて目をそらしていたことをズバリと指摘されちゃった……みたいな感じなんだけど。
私は隣の志狼君にこっそり話しかけた。
「ねえ、どういうこと?」
「ずっとおかしいとは思っていたんだ。封印が解けてから、一度も神の気配を感じないから」
「それって、まずいことなの?」
「俺たちが神の気配を感知できないなんてありえない。考えられる理由はひとつだ。……神が行方不明になってしまった」
「え⁉︎ えええー!?」
私の裏返った大声が学食中に響き渡った。
か、神様って行方不明になるものなの!?
「それ、大変なんじゃない!?」
「ああ、大変だ。神が消えるということは、世界の存続に関わるおおごとなんだ」
そりゃそうだ!
たしか『天の岩戸伝説』だっけ? 天照大神が岩戸に閉じこもったら、世界が暗闇になっちゃった話。
日本には大勢の神様がいるけど、ひとりの神様が引きこもっただけでもそんな大騒ぎになっちゃう。
なのに行方不明なんて世界そのものがグラつきそう。
そりゃみんな暗い顔にもなるわ! 特に我が家は神社だし、大問題なんだけど!
「飛ばされる瞬間、ほんのわずかですが誰かの悪意の力を感じました。それと……」
「それと?」
「神の気配をまったく感じません」
みんなが、シーンと静まりかえってしまった。
全員が難しい顔でだまり込んでいるけれど、どうしたんだろう。
まるで、認めたくなくて目をそらしていたことをズバリと指摘されちゃった……みたいな感じなんだけど。
私は隣の志狼君にこっそり話しかけた。
「ねえ、どういうこと?」
「ずっとおかしいとは思っていたんだ。封印が解けてから、一度も神の気配を感じないから」
「それって、まずいことなの?」
「俺たちが神の気配を感知できないなんてありえない。考えられる理由はひとつだ。……神が行方不明になってしまった」
「え⁉︎ えええー!?」
私の裏返った大声が学食中に響き渡った。
か、神様って行方不明になるものなの!?
「それ、大変なんじゃない!?」
「ああ、大変だ。神が消えるということは、世界の存続に関わるおおごとなんだ」
そりゃそうだ!
たしか『天の岩戸伝説』だっけ? 天照大神が岩戸に閉じこもったら、世界が暗闇になっちゃった話。
日本には大勢の神様がいるけど、ひとりの神様が引きこもっただけでもそんな大騒ぎになっちゃう。
なのに行方不明なんて世界そのものがグラつきそう。
そりゃみんな暗い顔にもなるわ! 特に我が家は神社だし、大問題なんだけど!


