巫女&十二支擬人化男子、学園をナイショで守護してます!

ーーザッパーン!

 悲鳴を上げる間もなく激しい水飛沫が上がった。

 ひええ! 体が沈む、沈むぅ! ブクブク……。


「な、なんだ? 今なにかプールに飛び込んだのか?」

「あ、見て! 子犬がいるよ!」


 動物の姿になった志狼君が、水から飛び出てプールサイドを駆け回り始めた。

 みんな志狼君を捕まえようと夢中で追いかけている。

 そのすきに私は、水面にプカプカ浮いてる子龍とハムスターをガバッと抱き抱えた。


「ふたりとも、このまま逃げるよ!」

「由巫ぃ〜。助かったで〜」

「なんじゃ! あの話の通じぬ教師は!」

「シー! 静かにして!」


 目立たないようにみんなでコソコソ水から上がって、更衣室のある建物の陰に飛び込んだ。

 ゼェ、ゼェ。な、なんとかバレずに済んだー!


「ふう、やれやれじゃ。とんだ目にあったわい」

「それ、こっちのセリフね!」

「全身びしょ濡れやぁ……」

「それもこっちのセリフね!」


 子龍は濡れた体をプルプル揺らしてるし、ハムスターは顔を小さな手でクシクシしてる。

 んもう、呑気(のんき)なんだから!

 建物の陰からこっそり周りの様子をチェックすると、どうやら志狼君はうまく逃げ切ったみたい。

 でも彼は元の姿に戻るまで教室に戻れないし、私はこの制服びしょ濡れ状態で教室に戻らなきゃならないし。

 なんて言いわけしよう。ああ、困ったなあ。

 やっぱり十二支との学園生活なんて、無事に過ごせるはずがないよ。

 これからもまったく油断はできないなあ。

 私は水がボタボタしたたる頭を抱えて、何度もため息をついた……。