なんとなく静かになっちゃった空気を変えるように、慧申君が「コホン」と咳払いをした。
「ところで先生、ごぞんじですか? 外国には猫年がある国もあるんですよ?」
「にゃ!?」
『え⁉︎』という感じで慧申君を見上げた三毛猫の表情がパッと輝いた。
「ベトナムには猫年があるんです。他にチベットや、タイや、ベラルーシなんかもそうですよ」
「にゃ! にゃにゃにゃー!」
めっちゃ興奮した三毛猫がうれしそうに飛び上がり、参道を走り出した。
そして途中で立ち止まり、こっちを振り返って「にゃあー!」とひと声鳴いて、それからあっという間に走り去ってしまった。
先生、行っちゃった……。あの『にゃあー』はどんな意味なんだろう。
単純に別れの挨拶かな? それとも捨てゼリフでも吐いたのかな?
それとも『ちょっとだけ、私も悪かったと思うわ』なんてこと、言ってたのかな?
「それにしても先生、まさかベトナムまで走るつもりかなあ?」
疑問に思ってつぶやいたら、慧申君がうなづいた。
「かもしれませんね。だとしたら途中に海があることを彼女に伝えたほうがよかったでしょうか」
「でも先生なら意地と根性で泳ぎ切りそう」
「猫の遠泳ですか? それはぜひ拝見したいものです」
慧申君が大まじめに言ってるのがおかしくて、つい笑ってしまった。
そしたら私の笑いが伝染したのか、みんなも声をあげて大笑い。
気がつくといつの間にか夜が明けていて、先生が去った鳥居の向こうから金色の朝日が昇ってくる。
暗い空がようやく瞼を開けたような明るい切れ間が、とてもきれいだ。
みんなと一緒にこんな素敵な夜明けを迎えられたことが本当にしあわせで、私は胸がいっぱいだった。
「ところで先生、ごぞんじですか? 外国には猫年がある国もあるんですよ?」
「にゃ!?」
『え⁉︎』という感じで慧申君を見上げた三毛猫の表情がパッと輝いた。
「ベトナムには猫年があるんです。他にチベットや、タイや、ベラルーシなんかもそうですよ」
「にゃ! にゃにゃにゃー!」
めっちゃ興奮した三毛猫がうれしそうに飛び上がり、参道を走り出した。
そして途中で立ち止まり、こっちを振り返って「にゃあー!」とひと声鳴いて、それからあっという間に走り去ってしまった。
先生、行っちゃった……。あの『にゃあー』はどんな意味なんだろう。
単純に別れの挨拶かな? それとも捨てゼリフでも吐いたのかな?
それとも『ちょっとだけ、私も悪かったと思うわ』なんてこと、言ってたのかな?
「それにしても先生、まさかベトナムまで走るつもりかなあ?」
疑問に思ってつぶやいたら、慧申君がうなづいた。
「かもしれませんね。だとしたら途中に海があることを彼女に伝えたほうがよかったでしょうか」
「でも先生なら意地と根性で泳ぎ切りそう」
「猫の遠泳ですか? それはぜひ拝見したいものです」
慧申君が大まじめに言ってるのがおかしくて、つい笑ってしまった。
そしたら私の笑いが伝染したのか、みんなも声をあげて大笑い。
気がつくといつの間にか夜が明けていて、先生が去った鳥居の向こうから金色の朝日が昇ってくる。
暗い空がようやく瞼を開けたような明るい切れ間が、とてもきれいだ。
みんなと一緒にこんな素敵な夜明けを迎えられたことが本当にしあわせで、私は胸がいっぱいだった。


