「とにかく、これで本当にすべて解決だ」
「だよね!? ああ、よかった! 本当によかった!」
うれしくてうれしくて全員と握手して回っていて、ふと気がついた。
宙太君が床にしゃがみ込んで、なにかを真剣な目で見つめている。
その視線の先には、小さく丸まって震えている三毛猫がいた。
「なあ、朝巳。鍋島先生の怪我、治してやってくれへん?」
宙太君のその言葉に、みんながざわついた。
たしかに、こんなに弱ってしまった姿を見るとかわいそうに思う気持ちはある。だからといって素直に助けられるかというと、それは……。
「もちろん僕なら治せるけれど、彼女は回復したらきっとまた宙太を狙うよ? それでもいいのかい?」
「かまわへん。頼むわ」
「わかった」
朝巳君が手を添えると、苦しそうにしていた三毛猫の体の震えが治まった。
少しずつ傷が治っていく様子を見ながら、宙太君が静かに語りかける。
「日頃から神を神とも思わへん傲慢なあんたが、神の使いになることがどうしても不安だったんや。でもなあ、今となったらもっと他にやりようがあったと思うわ。……堪忍な、先生」
謝罪する宙太君を、三毛猫は治療を受けながらじっと見上げている。
当時は宙太君なりに真剣に考えての行動だったんだろうし、嘘つきな悪者役をひとりで背負ったところも宙太君らしいと思う。
昔の鍋島先生が傲慢だったのは本当なんだろうし。だって現在もぜんぜん変わってないから。
だから私は、自分の思うことを先生に言った。
「ねえ、先生。『でも今思えば、今考えれば……』なんて後悔することは誰にでもあるよね? 先生だってそうでしょう?」
私の言葉を聞いているのか、いないのか、治療が済んだ三毛猫はゆっくり起き上がり、自分の体をペロペロと舐め始めた。
でもなんだかその姿は、ちょっとバツが悪そうに見える。
「だよね!? ああ、よかった! 本当によかった!」
うれしくてうれしくて全員と握手して回っていて、ふと気がついた。
宙太君が床にしゃがみ込んで、なにかを真剣な目で見つめている。
その視線の先には、小さく丸まって震えている三毛猫がいた。
「なあ、朝巳。鍋島先生の怪我、治してやってくれへん?」
宙太君のその言葉に、みんながざわついた。
たしかに、こんなに弱ってしまった姿を見るとかわいそうに思う気持ちはある。だからといって素直に助けられるかというと、それは……。
「もちろん僕なら治せるけれど、彼女は回復したらきっとまた宙太を狙うよ? それでもいいのかい?」
「かまわへん。頼むわ」
「わかった」
朝巳君が手を添えると、苦しそうにしていた三毛猫の体の震えが治まった。
少しずつ傷が治っていく様子を見ながら、宙太君が静かに語りかける。
「日頃から神を神とも思わへん傲慢なあんたが、神の使いになることがどうしても不安だったんや。でもなあ、今となったらもっと他にやりようがあったと思うわ。……堪忍な、先生」
謝罪する宙太君を、三毛猫は治療を受けながらじっと見上げている。
当時は宙太君なりに真剣に考えての行動だったんだろうし、嘘つきな悪者役をひとりで背負ったところも宙太君らしいと思う。
昔の鍋島先生が傲慢だったのは本当なんだろうし。だって現在もぜんぜん変わってないから。
だから私は、自分の思うことを先生に言った。
「ねえ、先生。『でも今思えば、今考えれば……』なんて後悔することは誰にでもあるよね? 先生だってそうでしょう?」
私の言葉を聞いているのか、いないのか、治療が済んだ三毛猫はゆっくり起き上がり、自分の体をペロペロと舐め始めた。
でもなんだかその姿は、ちょっとバツが悪そうに見える。


