果実と恋のバスケット




私がそう伝えようとして口をパクパクさせても通じるわけもなく、リンゴくんは「まあ、入って」と慣れた様子で庭に入り、玄関の扉を開いた。



私は少し緊張しつつも、そっと庭園に踏み入れた。




前の住人さんが住んでいた時代から、丁寧にお世話されていた庭園は、今も美しい色合いの植物に満ちている。



「ここの植物は、全部俺らが植えたんだ」

「えっ、ミカンくんたちが?」

「そう。だから、ちょっと前の人と植えている植物が違うんだよ」




気づかなかった?と私の方に顔を向けて微笑むリンゴくん。


庭をよく観察してみると、確かに、庭木の配置とかがちょっと違う気がする。


首を傾げると、リンゴくんと反対側のミカンくんが一つ一つ指を差しながら教えてくれた。