「お友達なんでしょ?これ、自分で持っていく?」
「うん。ありがとう、お母さん!」
しっかり返事をして、お母さんからお菓子の乗ったトレーを受け取る。
トレーの上には、色とりどりの宝石のようなお菓子たち。
このお菓子を届けるときも、私は使命感と喜びに満ち溢れている。
幼い頃から手伝っていうこのお店の自慢のお菓子。
喜んでもらえるように、精一杯の気持ちと一緒にこのお菓子をお客様に味わってもらいたい。
そう思って手伝ってきたんだ。
私は片手にトレーを乗せてバランスを保ちながら、そっと個室のドアをノックした。
「あ、アンズちゃん。お菓子持ってきてくれたんだね、ありがとう」
ドアを開けて出迎えてくれたのはリンゴくん。
私のトレーをさり気なく受け取って、中へ促してくれる様子が王子様みたい。


