「レモン」 俺はとっさに声を出す。 その先を考えてもいないのに。 レモンは俺の呼ぶ声を無視して、笑う。 寂しそうに。悲しそうに。悔しそうに。 そう、俺だってわかる。わかるつもりだ。 一緒にいた弟が何を考えてるかなんて。 寂しそうに。悲しそうに。悔しそうに。 そして嬉しそうに、誰かに恋い焦がれるように。喜びが、形になるように。