ばしん、と音がして右手が痛みで熱くなる。
俺が動きを止めると、レモンはキッと俺を睨んだ。
「ずっとミカンとセット!絶対にミカンの金魚のフン!オレは”柑橘”の弟でしかない!」
―――知らなかった。
きっとこれは、初めてレモンが俺にぶつけてくれた、レモンの本心。
俺が見れなかった、レモンの本音だ。
「ミカンは気づいてなかったんだろ!オレがいない間にもどんどんミカンは成長していって!ずっと差は開くばっかだった!」
レモンの目が涙で揺らぐ。揺らいで見える。
知らなかった、姿。
それを見るだけで、こんなにも思いが揺らぐ。


