「真っ先に、オレの名前を呼んでくれた。―――オレに、話しかけてくれた」 それだけなのにな、とレモンくんが苦笑いを浮かべる。 さっきまでの表情に既視感を覚えていた理由がわかった。 あのときにそっくりだ。 クッキーを作ったとき、レモンくんが私に心をひらいてくれたとき。 彼が寂しそうに話していた…あのときに。