「あの花、スターチスっていうんだよ」
「そんな名前があったんだね…。どうしてスターチスなの?」
「花言葉がね…『永遠の愛』なんだ。ぴったりでしょ?」
リンゴくんがアップルパイを作り終えた手で私の手をぎゅっと掴む。
その手の温度がほんのりと高くて、私の心臓もなぜかドクンと緊張した音を立てた。
「…たとえ君の好きな人がミカンでも。僕らの中の誰かでも、それ以外でも。絶対に奪いに行くって誓うよ」
赤い瞳の色がぐっと濃くなったような感覚に陥る。
忙しい厨房で、私とリンゴくんのことを見ている人は誰もいなくて、私は赤色に囚われて目を離せなかった。


