何事もなかったように、優しく接してくれるミカンくんはやっぱり優しい。 髪が乾くと、家まで送り届けてくれた。 「明日からのことも心配しないで。俺が守るから。…また明日ね」 「うん…ありがとう、ミカンくん」 たそがれ時の私の胸には、苦い麦の匂いではなく、柑橘系の甘い香りが満ちていた。 * * *