「リンゴは、ああ見えて抱え込みがちな子なんです。あの子の夢に配慮できればと、いつも思っているのですけれど、やはり私では難しいんですよね…。レモンはその、少し口が悪いでしょう?悪い子ではないのですが素直でない言動が多くて、そのせいで誤解されがちで…」
「大丈夫だよ。リンゴくんはすごくブドウくんに感謝していて、自分の道を見つけてるし、レモンくんだって悪い子じゃないってことわかってるよ!」
ブドウくんが独り言のように漏らした他のみんなへの不安を、私はしっかり受け止める。
ブドウくんは敬語で腰が低いけれどいつも堂々としていて、みんなを心配させないように振る舞っているのが傍目でも分かるから、弱音を吐きたいときは吐いてほしいんだ。
「ありがとうございます、アンズさん。イチゴは人にもよく馴染むし周囲への配慮もできるのですけれど、自分への違和感というものがあるようで…。相反する自分がいる、とよく言っているんです。それから、ミカンは…」
慈しむように、一人ひとりに関する不安や思いを言っていくブドウくん。
ミカンくんの名前で、そっと深呼吸をした。


