幸いだったのは、僕が引っ張ってもらう側だったこと。
僕よりも年長なブドウやミカンがいて、僕は彼らに従うだけで良かったこと。
それで良かったのに。
僕はわがままだった。
ブドウとミカンの2人と僕やレモンくんの年齢は大きく離れている。
ブドウとミカンは何百、何千万年単位のはるか昔に生まれ、人間たちが生まれるずっと前から歴史と世界を見てきた。
僕は数千年前に生まれた。
それなりに長生きではあるんだろうけど…人間の営みを最初から見ることは敵わなかった。
時折、ブドウとミカンが昔話をする時。
その輪の中に入れないと、なんだか理不尽な気がするんだ。


