果実と恋のバスケット





私は半分くらいむいた林檎と包丁を置いて、リンゴくんに前に出るように進める。

ちょっとだけ下がっていたリンゴくんは、恐る恐るといった様子でぎこちなく包丁を手に取った。


その刃が林檎に当てられると、果肉を巻き込みながらも、ちょっとずつ皮が切られていく。




「あっ、包丁はもうちょっと、こういう持ち方のほうが良いかも。」




私は横から手を出して、彼の手ごとそっと包丁の向きを変える。




「えっ、わっ、わ…えっと、ありがとうっ…」




リンゴくんは皮むき途中の林檎から目を離さずにお礼を言ってくれる。

熱心だなぁ…。