きみとロマンスなんて



「かわいくしてねー?」


「もちろん」



きれいな三つ編みがどんどん完成されているらしく、わたしは机に突っ伏すようにして彼女が編み終わるのを待つ。


ふわふわとした雰囲気に流され、朝の眠気がゆらゆらとわたしを襲った。波に身を任せるようにゆっくりと目を瞑る。

だがそれを、親友は許してくれない。


言葉の代わりに、ぐっと体を寄せられた。
突っ伏しているわたしの背中には、ピッタリと親友がくっついている。


「できましたけど」

「ありがとー」

「いやいや絵菜、寝ちゃだめよ?まだ一限目始まってすらないんだからね?」


心寧が耳元でやわく咎めるが、わたしは聞こえないと言うように鞄に入れておいた膝掛けを取り出して丸まる。


「えーなー」

「カイトくんがいる家に帰りたい…」

「正しくはカイトくんのグッズに埋もれたい、でしょ」

「せーかい」


へにゃ、と返事をしたところでベリっと膝掛けを奪われた。

家に帰るには授業を受けろと、心寧の視線が訴えてくる。


「うう……しかたない」
 

わたしの聖域に帰るために、もう一度目を覚ますための伸びをした。