きみとロマンスなんて



今日この愛くるしいぬいぐるみを買うまでにどれだけ頑張ったことか。
バイトは普段以上に張り切ったし、放課後に寄り道買い食いはとっても控えた。

何回悪魔の囁きが聞こえようとも、振り払うようにカイトくんの写真を見て耐えた。

すなわち、わたしの努力と愛の成果である。


カイトくんへの愛は一直線、とどまることは知らない。
熱が冷めることなんて、一生ないだろう。



「今日の任務はもう達成ーー…ん、どしたの心寧?」


満足気に机の上で伸びをすると、するりと彼女はわたしの後ろへまわる。

そして慣れた手つきでわたしの軽く癖のついた髪を一房掬った。



「んー…なんとなく編もうかなって」

「わたしの推しの話は退屈ですか」

「もう耳にタコができそうなくらい聞いたからねえ」


もう何を言うかも分かるよ、と苦笑混じりに髪を弄る親友はほんとうに可愛い。