仁科快斗。
今をときめく大人気アイドルグループの王子様的存在であり、爽やか且つ甘い雰囲気をあわせ持つひと。
けれど決して軽いわけではなくて、誰に対しても平等に優しく、話しやすい。
グループのなかでは兄みたいな存在で、メンバーを支えている。
つまり最高で最高なわたしの推し。
完璧なあまいマスクでたくさんの人を虜にする男は、ファンの数もとても多い。
スマホを手に取ってパッと電源をつけて、ホーム画面を映すと、バッチリ推しと目が合った。
瞬間、ぶわりと"好き"があふれ出す。
「っっ!!」
舞いあがった多幸感が逃げないようにゆっくり目を瞑り、けれどもう一度と言うように盗み見るように彼を視界へと招き入れる。
いや、ちがう。わたしの瞳が彼に呼ばれたように吸い込まれた。
ほう、と息をつくと、それは幸福の証。
満たされた気分になった。



