「あ、絵菜もう買ったの?今朝発売だって言ってなかった?」
「待ちきれなくて朝からショップに行ってきました」
「相変わらず愛が深いねえー」
「だってカイトくんがもう最高すぎるからね?これは買うしかないでしょう?」
「私にはよくわかんないけど尊敬するわあ」
わたしの座る机のもとにふっと落ちてきた影。
正体は相沢 心寧という大親友。
「……あ、前髪切ってる。かわいい」
「ありがとう、ほんと絵菜はよく気づくねー」
「わたしの自慢の親友ですから」
「ふふふ」
間延びした声と、どこかふわふわとした雰囲気を持った彼女は中学校からの付き合いだ。
わたしも髪切ろうかなあ、とか思いながら大切なぬいぐるみを見つめる。
いやもう冬のコスチュームが似合いすぎて困るな?
どうしようこのまま帰したくない。ショッパーの中に。
授業中もずっと見ていたいくらい可愛いとかっこいいが両立されているそれを、じっと見つめた。



