きみとロマンスなんて



宝物を見つけた小さな子供みたいに瞳をキラキラさせたわたしに、薄氷という男は感情の読めない視線を向けた。

そのままスタスタとわたしの元へと歩き、「ハイ、どーぞ」とキーホルダーを渡されーー…



「え、ちょ……っ!?」



ーーなかった。

ヒョイと手を上へとあげられてしまえば、わたしは成す術なく驚いた声を出すことしかできない。



「何、するの」



ジトリと抗議するような目を向ければ、「…ふうん」と男はよく分からない言葉をこぼす。



「……毎日推しがどうとか何だとか、よく言ってられるね」

「はい?」

「どうして毎日同じ事でそんなにも騒げるんだか」



ひどい物言いにむっと眉間のシワを寄せる。
思わず「…は」と低い声が漏れた。


「薄氷はわたしの推しのこと何も知らないじゃん」

「…、俺はそういうことを言ってるんじゃなくて」

「今日は珍しく何も言ってこないから、やっとわたしの気持ち理解してくれたのかなあって思ったのに」