「……人を妖怪みたいに」
チッと舌打ちが聞こえてそうな表情をした男。
怪訝そうに顔をしかめて、わたしは見つめられた。
眼鏡でよく見えないが、その瞳はおそらく冷たい。
思わず縮んでどこかへ隠れたくなるほどに不機嫌な様子が伝わってくる。
けれどそういう訳にはいかないのだ。
ゆっくりと向かい合って、しばらくじっと睨み合いがつづく。
わたしとこの男の間の空気は、決して良いものではない。
「……」
「……」
目の前の男は、嫌そうに息をついて視線を落とした。
「……で、なに?」
「え?」
何が、と問うと「は?」というように男は首を少し傾ける。
…あれ、どうしてこの人ーーー薄氷櫂吏が来たんだっけ?
わたしも同じように小首をかしげると、今度は別方向からハァ、とあきれたようなため息が聞こえてきた。
「だから、絵菜のキーホルダー」
「え?」
「それ、薄氷が見つけてきたの」
「……えっ」



