涼やかな風が吹き抜ける。

 大我(たいが)先輩が吉田(よしだ)強二(きょうじ)と熱い戦いをくり広げてから、1週間と少しが経って、私は今、優衣(うい)先輩と屋上で女子会をしていた。




仁木(にき)くんが新しいトップになってから、なんだか校内が平和になった気がする」


「本当ですか?優衣先輩が変化を感じるなんて、いい調子ですね!」


「うん。知暖(ちはる)先輩も、こうやって真陽ちゃんと2人で話してていいよって、別のところに行っちゃうくらいだし」




 ふわりと笑う優衣先輩を見て、今日も美少女だ…!と口を押さえる。

 遠藤(えんどう)先輩と付き合ってしまったのがつくづく惜しいけど、おたがいにのろけ話をしたりできるのが案外楽しくて、許せるような気も…。




「優衣、もうすぐ授業が始まるよ」


「あ、知暖先輩…っ」