「遠藤知暖」
「ん?2年のトップと1年のトップがおそろいで、どうしたの?」
「あんたにタイマンをもうしこむ。…残りは、あんたと笹森の校章だけだ」
「え…」
「遠藤先輩のそれ、大我先輩に渡していただきます」
私も遠藤先輩に顔を向けて援護すると、先輩は「ふぅん」と妖しく笑った。
「きみたち、手を組むことにしたんだ?」
「恋は盲目ですから!とは言え、私は大我先輩が敵わなかったときの代打です」
「ははっ、おもしろいね。でも俺たち、これから大事な用があるんだ。全校生徒分の校章を集めたその行動力に免じて、強二への挑戦権はあげる」
遠藤先輩はあっさりえりにつけた校章を外して、大我先輩に投げ渡す。
それを見事片手でキャッチした大我先輩は、眉根を寄せた。



