スッと、欠片もすきのない、するどい顔つきに変わったイケメンさまの言葉に元気よく返事をして、すばやく彼のうしろに移動してから、我に返った。

 相手は不良なのに、イケメンさまだからってすなおにしたがってしまうなんて…!

 わ、私はなんてぼんのうに弱い人間なの…っ!?




「――最強はゆずらない。俺が滝高のトップになる。…かかってこい、1年ども」


「くっ…ラアア!」


「「うおおお!」」


「えっ?ちょ、ちょっと待ってください!」




 強い意志を持って凛とひびく声にもキュンとしているあいだに、乱闘が再開されてしまって、あわててイケメンさまとおそってくる男たちのあいだに入る。




「っ、あぶな――」