真顔の大我先輩に近距離で見つめられているこの状況、真面目に私の心臓がはれつしかねない。
まっかになって、ずり、とうしろに下がると、大我先輩に一歩距離を詰められた。
「真陽は?」
「好きですもちろん大好きですっ!」
「…俺の“顔”が?」
「それもそうですけど大我先輩がっ!私、恋!してしまいました!」
目を細めて聞かれ、勢いよく答えると、大我先輩は、ふっと、かすかに笑う。
さけび声がもれそうな口をとっさに両手で押さえると、体がうしろにたおれてしまって、大我先輩の手に背中を支えられた。
「◎$♪×△¥●&?#$!?」
「…なにを言ってるのか、分からないが。俺たち、“付き合う”ってことでいいな?」
「!!」
私はドッドッドッとひびく心臓の音を聞きながら、コクコクコクとうなずいた。



