【短】不良ぎらいだけど面食いな私VS超イケメンな不良

 そんなのダメだ、絶対。

 こういうときは体を動かして頭を空っぽにしないと…。




「…でも、今は組手に付き合ってくれる人なんて…あ…」




 ふっと頭に浮かんだ顔にドキッとしながら、私は体を起こす。




「すみません、お父さん…これは正しくないことかもしれません」




 今は離れた家にいる父にあやまりながら、私は心を決めた。

 大我先輩の“タイマン”、受けよう。



 その後、いつも通り身支度をして、1人暮らしを心配した父によって定期購入されている、栄養バランスが考えられたお弁当を食べる。

 家を出て、美形3兄弟と一緒に登校し、(すず)ちゃん、爽くんと別れたあとに、私は大我先輩を見た。




「大我先輩。よければ今日、手合わせをしましょう」


「…なに?」