「な…っんだ、てめぇ、ナマイキな…!」




 一瞬ひるんだチンピラたちだったけど、すぐに逆上して大我(たいが)先輩におそいかかる。




「兄さん!」


「こらっ、暴力にうったえるなんて最低ですよ!」


真陽(まひる)、」




 大我先輩が2人を相手にするのを見ながら、残りの1人のこぶしをいなして、腕をひねり上げると、チンピラからうめき声が上がった。

 大我先輩が相手したチンピラたちも、一撃で沈められたらしい。




「お友だちを連れて、今すぐ帰りなさい」


「くっ…なんなんだよ、こいつらっ…!」




 腕を解放すると、チンピラは文句を言いながらたおれた2人を起こして、3人で肩を組みながら去っていった。

 大我先輩が言う通り、どうやらこの街は治安が悪いみたいだ。

 自分の足で歩けたってことは、大我先輩も手加減したみたいだし…怒るに怒れないなぁ。