「優衣先輩、ですかね」
「…女でもいいのか」
「え、はい、美形であれば。優衣先輩は女性版顔面国宝だと思っています」
「…その、顔面国宝ってやつ、他の男はいないのか?」
「大我先輩以外にですか?うーん…ここまでの衝撃を受けたのは大我先輩が初めてです」
お顔が最高の芸能人は何人もいるけど、今まで最上級に興奮したな、っていう興奮の限界を大きく超えたのは大我先輩しかいない。
質問に答えるために、目に焼きつけてきた美のお顔たちを思い返すと、幸せに包まれて顔がだらしなく緩んだ。
でもなによりも眼福なのが、今となりを歩いている大我先輩で。
「今日も生きていてくださってありがとうございます…!」
大我先輩を見て、片手で口を押さえながら、あらためて湧き上がってきた感情を言葉にすると、いつも目をそらしてしまう先輩が、今日は…。
じっと、目を細めながら私を見つめてくる。



